書籍紹介 「カラダの声をきく健康学」 北村昌陽 著

カラダの声をきく健康学
北村昌陽 ISBN978-4-00-025809-8

今の世の中は、健康や生活に役立ちそうな情報が、テレビや雑誌、インターネット、口コミなどを通じて山ほど出回っています。でも、びゅんびゅん飛び交う情報に気を取られ過ぎて意識がそちらばかりを向いた「頭でっかち」な状態になると、体の内側からそっと、正解をささやいてくれる「体の声」を見逃してしまう。今、私たちの身の上には、そんな現象が起きているのではないでしょうか。

例えば、「肩凝り」や「あくび」「便意」といった体の声に対する感覚が鈍ると、自分が鈍っていること自体に気づかなくなっています。「肩凝り」は血の巡りが局所的に悪くなっていることのサインで「血液が滞っていますよ」と体が知らせてくれています。「あくび」は緊張をゆるめようと体が発する天然のストレッチ。日々の生活で、疲れやストレスがたっまた体をゆるめるのに最適です。しかし、「あくび」がなかなかすんなりと出ない人が増えています。「あくびが出ない人たち」は体は硬く緊張し、特に後頭部や首の後ろ、背中や腰まわりなどが、強く固まっていることが多い。「便意」は排泄という体の最も基本的なメカニズムですが、せっかく体が発した便意というメッセージを長年にわたって抑え続け、わざわざ鈍い体を作り上げている。

本書は20人あまりの専門家の言葉を紹介しているため、科学の言葉と体で感じる実感で隔たりがあるように思えますが「体の声をきくことの大切さ」という点では共通しています。そこで、隔たりが広く埋められない領域があるのを承知の上で、専門家たちが伝えてくれた言葉を著者なりの考察でつなぎながら「体の声をきく」というテーマを中心に本書はまとめられています。

2012年7月19日 10:27  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介 「食の堕落と日本人」 小泉武夫 著

食の堕落と日本人
小泉武夫 ISBN978-4-492-05924-1

食の堕落が国を滅ぼす。絶望的、驚異的なスピードで変化してきた日本人の食生活。日本食の本質を忘れた日本人はどこまで堕ちるのか。本書では「味覚人飛行物体」、「発酵仮面」などの異名を持つ著者による痛快食文化論が展開されている。例えば、こんな食の乱れが日本を堕落させているとして以下の4項目をあげ、伝統的な日本食がニッポンを救うと主張する。

(1)切れる原因は食生活にあり
同じ状況におかれても、切れる人と切れない人がいる。両者はどこで分けられるのだろうか。もちろん環境ホルモンやストレスなど様々な要素はあるが、著者はその大きな原因の1つは食べ物にあると見ている。

(2)魚が焼けない団地生活
東京近郊には入居者が「魚はいっさい焼かない」という自治会の決まりを受け入れている団地があるという。焼いた魚を食べたい人は、その団地近くに車の荷台で魚を焼いてくれる魚屋がやって来るので、そこで焼いてもらう。

(3)乱れている日本人の酒文化
今日の日本酒の衰退は消費者だけでなく生産者にも責任がある。例えば、利益を上げることばかり考えている大手の酒造会社は、原料の米を半分にして酒を造っている。

(4)噛むことを忘れた日本人
今日の日本人は噛むことが非常に少なくなってしまった。そこで、子供は歯並びが悪くなったり、頭頚部の筋肉が弱く神経系の働きが悪くなり、言葉の発達や脳の発達が遅れる。大人も同様でよく噛まない人は筋肉や神経の働きが悪く病気にかかりやすくなったり不安愁訴で悩んだりする。

2012年7月12日 10:16  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介 「流れる臓器」血液の科学 中竹俊彦 著

「流れる臓器」血液の科学
中竹俊彦 ISBN978-4-06-257618-5

血液は誰もが知ってはいるが、たとえ出血を見ても、その実体である血球はあまりに微細で、イメージすることもできないほど縁遠く小さな存在です。その小さな血液の正体・実体はレーウェンフックによる赤血球の発見以来330年以上にわたって連綿と続いた研究によって序々に明らかにされてきました。著者はできる限りの力で「生きている血液の様子を以下のように自ら「血液の語り部」として紹介しています。

第1章・・・顕微鏡で観た血液
血液は、凝固因子を含む液体成分の血漿と固体部分の赤血球、白血球、血小板で構成されている。

第2章・・・血液の循環とそのおおまかな働き
血液は液体で循環器系を絶えず流れ、まとまった働きがあるという点では心臓(約270g)や肝臓(約1.5kg)などと同じく「臓器」で、重さから見ると体重の約7.7%ですので最大級の「流れる臓器」といえる。

第3章・・・赤血球の主成分であるヘモグロビンの構造や働き
健康な成人男性の平均ヘモグロビン量は15~16g/dl、女性は生理があるため13~14g/dl。また、一般に既婚女性は1g/dl程度低くなり、妊娠中はさらに低くなります。

第4章・・・白血球の姿と白血球を中心とした免疫系
白血球は大きく顆粒球、単球、リンパ球の3種類に分類され、顆粒球はさらに酸性の色素に染まる好酸球、アルカリ性の色素に染まる好塩基球さらに中性の色素に染まる好中球に細分されます。

第5章・・・血液の凝固と溶解の驚くべき仕組み
止血や血液凝固の仕組みは、出血を最小限に止めるために必須の防衛機能である一方、循環している血液は、健康時には血栓を作ることなく順調に流れ続ける。

第6章・・・血球の誕生から終焉まで
血球にはそれぞれ寿命があり、寿命の尽きた血球は取り除かれ、同時に失われた血球は骨髄とリンパ節で作られ補給される。

第7章・・・誤りがちな血液の常識
「サラサラ血液」はスムーズに流れる「健康な血液」、「ドロドロ血液」は流れがスムーズでない「不健康な血液」という誤解や「血液型性格判断」のウソなど

著者のねらいはこれまでの先入観、固定概念から解き放たれて、血液に対してより深い理解を読者にもっていただくところにあります。

2012年7月5日 10:30  カテゴリー:書籍紹介

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