書籍紹介 「化学物質はなぜ嫌われるのか」 佐藤健太郎 著

化学物質はなぜ嫌われるのか
佐藤健太郎 著 ISBN978-4-7741-3517-5

日本に、化学物質アレルギーが広がっているようです。といっても、文字通りの意味ではなく何であろうと「化学物質」が入っているというだけで毛嫌いし、まるで病原菌でもあるかのように神経質に、これを避けたがる人たちが増えている、という意味です。

テレビ、新聞、雑誌など、メディアの中で、化学物質の話題がとりあげられる時は、たいてい悪いニュースです。シックハウス、タミフル、メタボドボス、硫化水素といった名前を毎日聞かされていれば「化学物質」なるものは全て危険で、この世から完全に排除すべきものと思われても仕方ないかもしれません。

しかし、化学物質の危険とは、言われるほどのものなのでしょうか?実際には、不誠実な業者が過度に恐怖を煽ることで、利益を得ようとしているケースが、残念ながら少なくありません。

また、日本人は諸外国に比べ、少々のリスクとのつきあい方が下手なのも事実であるようです。本書はそんな状況を少しでも正すために書かれています。もちろん著者も、あらゆる「化学物質」が全て無害だなどと主張するつもりはありません。水銀やカドミウム、PCBなど危険な化合物はたくさんあり、これに対しては常に警戒を怠るべきでないのは当然です。しかし、実際さほど害がないと思われるものばかり気にして、本当に危険なものへの注意がおろそかになるのでは何もなりません。

本書に述べられている内容は、いわゆる「世間の常識」とはだいぶかけ離れたものもあります。特にダイオキシンやタミフルなどの項目は、簡単に納得いただける内容ではないかもしれません。しかし、本書に書かれていることは著者の個人的な思いこみなどではなく、学界で多くの専門家が支持し、現状でのデータから導き出される「正論」と言えます。先入観を捨て、虚心に読めば理解できます。著者の念願は、読者の化学物質に対する正しい理解、リスクとの上手なつきあい方につながることだけです。

2013年6月27日 9:15  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介 「夜と霧(新版)」 ヴィクトール・E・フランクル 著

夜と霧(新版)
ヴィクトール・E・フランクル 著  池田香代子 訳
ISBN4-622-03970-2

本書の原題は「強制収容所におけるある心理学者の体験」です。本書はオーストリア・ウィーン在住の精神科医の著者がただ「ユダヤ人である」というだけの理由でナチスにとらえられ、強制収容所アウシュビッツ到着から終戦による解放に至るまでの約半年間の収容所生活での体験をつづったものです。

著者が最も描きたかったのは、人間以下の牛馬のような扱いを受け、明日の命の保障もない捕虜たちの中に、それでもなお何ものにも冒されない、一種の崇高さすら持った精神が息づいていたことです。例えば、自分も飢えているのに、別のもっと飢えた人に自分のパンを与える人がいたり、過酷な状況下にあっても夕日の美しさに感動する心を忘れない人がいた。

多くの科学者は、人間は極度の飢餓状態に置かれると、仲間を殺し、人肉を食べてでも生き延びようとするものと考えていました。しかし、著者が強制収容所中で実際に目の当たりにしたものは、それとは異なり、極限状態において、人間は天使と悪魔に分かれるという事実を発見しました。

そして、「人生の意味」については、生きる意味はあるのかと「人生を問う」ことではなく、人生の様々な状況に直面しながら、その都度「人生から問われていること」に全力で応えていくことだと「コペルニクス的転回」を著者は求めています。

「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっています。原著の初版は1974年、日本語版の初版は1956年、その後著者は、1977年に新たに手を加えた改訂版を出版していますが、本書は、原著1977年版にもとづき、新しく翻訳されたものです。人間とは何かをつねに決定する存在である!!

2013年6月20日 9:30  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介 「栄養学を拓いた巨人たち」 杉 晴夫 著

栄養学を拓いた巨人たち
杉 晴夫 著 ISBN978-4-06-257811-0

われわれが今日のように長生きできるようになったのも、医学の進歩による感染症の征服、住環境の改良に加えて、栄養学の成立により、われわれの日々の食生活が著しく改善されたからである。新聞や雑誌などでは日々、栄養や食生活についての解説や、サプリメントや健康食品の類いの広告が絶えることがない。

ところで、栄養士が料理の献立をつくる際に食品のカロリー計算をするのは、われわれが食物として体内に取り入れた栄養素をゆっくりと燃焼させ、そのとき発生するエネルギーを利用して生活しているからである。しかし、今までは「当たり前」となったこの事実に人類が気づくまでには、多くの孤高の天才たちの文字通り「血みどろ」の努力を土台として、現代の熱力学と栄養学が構築されていく道筋をたどることである。

まず、第1章は、ラボアジエやボルツマンの、文字どおり生命を賭けた先駆的研究に始まり、生体が摂取した食物を体内で燃焼させ、このとき発生するエネルギーによって生命を維持する仕組みが明らかにされる。

第2章は、摂取した食物が体内で消化・吸収され、糖質、タンパク質、脂質などの栄養素に分解され活動のエネルギー源として利用される仕組みが明らかとなり、栄養素が学問として確立してゆく歴史。

第3章は、病原菌による伝染病を征服した人類の前に現れた難問、「病原菌のない病気」の原因解明の歴史。

第4章は、第3章に引き続き、水溶性ビタミンであるビタミンB群の発見史を、日本人の貢献もあわせてたどる。

第5章は、われわれの体内で起こる化学反応(エネルギー代謝反応)の解明の歴史。

第6章は、主に我が国を例にとって、栄養学の社会とのかかわりを考察。

著者は、栄養学の確立に貢献した先人たちの血のにじむ努力に思いをはせ、彼らが明らかにした栄養学の知識を読者が自らの健康増進に役立てていただく事を切に願っています。

2013年6月13日 9:25  カテゴリー:書籍紹介

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