書籍紹介「甘い飲み物が肝臓を殺す」尾形哲 著

「甘い飲み物が肝臓を殺す」
尾形哲 著 ISBN978-4-344-98250-0

今回は前回に続いて、甘い飲み物の危険性と肝臓から脂肪を落とす具体的な方法を取り扱います。

3.甘い飲み物が肝臓を殺す
「何かひとつでも健康にいいことを始めよう」というのであれば、「甘い飲み物をやめる」をおすすめします。
(1)非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の原因は「脂肪の摂り過ぎ」よりも「糖質の摂り過ぎ」です。
(2)肝臓に入ってくる脂肪(遊離脂肪酸)の由来を多い順に挙げると、もっとも多いのが皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪組織から血中へ溶け出した脂肪で、これが60%。次に多いのが、肝臓内で糖が合成された脂肪で、これが25%。食事で摂った脂肪分が入ってくる割合は15%にすぎません。
(3)従って、「脂肪肝を解消する食事で何を減らすか」と迷ったときは真っ先に手をつけるべきは糖質です。
(4)糖質を「ブドウ糖」「果糖」「砂糖(ショ糖)」「果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)」の4つに分けて以下、話を進めていきます。
(5)砂糖はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が1対1で結合する二糖類です。
(6)「果糖=フルーツ」とは限りません。食生活で体内に入ってくる果糖は「フルーツ由来の果糖」よりも「トウモロコシ由来の果糖ブドウ糖液糖」のほうが断然多い。
(7)果糖は肝臓だけでしかエネルギーにならず、さらに果糖の脂肪化にはインスリンを必要としません。
(8)果糖はブドウ糖よりも、脂肪化するスピードが早く、脂肪化する量も多い「悪玉糖」です。
(9)特に液体の果糖は肝細胞破壊の「誘導ミサイル」、液体のブドウ糖は「精鋭部隊」です。
(10)一方、果糖をフルーツなどの固形で摂ったときは、少ない量をゆっくりと吸収するので、小腸細胞内の酵素(ケトヘキソキナーゼ)により、ブドウ糖に変換されることが明らかになっています。
(11)果糖ブドウ糖液糖は、フルーツはカケラほどもなく、トウモロコシから果糖成分を精製した液体です。果糖の割合は50%以上90%未満です。
(12)果糖ブドウ糖液糖は、非常に多くの加工食品に使用されています。その理由は、砂糖よりも安価で甘味が強く、液体なので、混ぜて加工しやすいことです。
(13)カフェインに糖がプラスされると血糖値が上がりやすくなります。

4.肝臓から脂肪を落とす目安
ダイエット成功のカギは「肝臓から脂肪を落とす」ことです。
(1)皮下脂肪や内臓脂肪が気になる人は、99%肝臓にも脂肪がたまっています。
(2)脂肪肝は肝臓に5%以上の脂肪沈着と定義されますが、通常のエコー検査では30%以上蓄積していないと検出されません。
(3)3ヶ月で7%の体重減少で脂肪肝や脂肪肝炎が改善し、10%の体重減少で糖尿病や肝臓の線維化が改善されます。
(4)脂肪肝になるとAST(GOT)<ALT(GPT)の状態になり、仮にAST、ALTの両者が基準値内でもAST<ALTならば脂肪肝の可能性は高い。

5.スマート・メソッド「3つのルール」と5つの習慣
必ず守ってほしい「3つのルール」となるべく身につけてほしい「5つの習慣」があります。
(1)ルール1:飲み物は水・お茶・ブラックコーヒーのみで「甘い飲み物」は一切禁止。
(2)ルール2:ごはん(白パン、麺類)の量を半分にする。食事の考え方そのものを、「ごはん中心」から「おかず中心」へと切り替える。
(3)ルール3:野菜はいままでの2倍食べ、食物繊維による満腹感や便秘を予防する。
(4)5つの習慣は以下の通りです。
・たんぱく質はしっかり摂る。
・超加工食品は減らす。
・水を一日1.5l飲む。
・夕食を早めに摂って空腹時間を長くする。
・一日10分以上、簡単な筋トレと軽めの有酸素運動をする。

脂肪肝の原因は揚げ物ではなく“糖"!!

2025年9月18日 9:04  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「甘い飲み物が肝臓を殺す」尾形哲 著

「甘い飲み物が肝臓を殺す」
尾形哲 著 ISBN978-4-344-98250-0

人体に欠かせぬ臓器は多いが、なかでも肝臓は「生命力の源泉」で代謝、免疫、解毒など何百もの仕事をこなす超重要臓器です。ところが日本人の3人に1人は肝臓に脂肪がたまった「脂肪肝」になっています。その“主犯"は、じつは甘い飲み物です。なお、今回と次回の2回に分けて見ていきます。

1.異所性脂肪と肝臓の3大重要機能
(1)体脂肪には「皮下脂肪」「内臓脂肪」「異所性脂肪」があり、皮下脂肪が満杯になると内臓脂肪がたまり、そこも満杯になると、あふれ出た脂肪が、本来たまってはいけない肝臓などの「異所」にたまります。なお、減少する順序は逆に、異所→内臓→皮下となります。
(2)肝臓に脂肪が過剰にたまると、その脂肪は毒性を持つようになり、炎症細胞(マクロファージ)を呼んで、肝細胞破壊が進み、肝機能がどんどん低下します。
(3)肝臓の3大重要機能は、「代謝」「免疫」「解毒」です。従ってこれらの機能がストップすると生命を維持することが難しくなります。
(4)肝臓の脂肪は、脂肪滴として各細胞内部にたまり、ふくらんだ細胞が脂肪肝です。
(5)国内では、約4000万人の人が脂肪肝と推定されていますが、その内訳は非アルコール性が約3000万人、アルコール性が約1000万人です。

2.脂肪肝を放置すると早死にする
「脂肪肝」を軽く見てはいけません。脂肪肝は“死亡肝"と言い直してもいいくらい恐ろしい病気です。
(1)悪化する段階を単純化すると「脂肪肝→脂肪肝炎→肝硬変」という流れになります。肝硬変になると、肝細胞が破壊され「線維化」が進み、肝臓が硬く変質して機能しなくなります。
(2)近年、「肝臓の脂肪化」とそれに伴う「免疫細胞の暴走」が炎症や線維化を進行させるとの知見が有力になっています。
(3)さらに、免疫細胞の暴走により破壊された肝細胞を修復する細胞(伊東細胞)によるファイバー(コラーゲン線維)が度重なると、線維化が進み肝硬変を悪化させます。
(4)肝硬変は線維化の進行度によってF1(軽度)、F2(中度)、F3(重度)、F4(末期)に分かれますが、F3やF4になると元に戻らず肝移植手術以外に方策はありません。さらに、ミスコピーが起きやすくなり、肝臓がんが生じやすくなります。
(5)脂肪肝は糖尿病をはじめとしたさまざまな病気の「発火点」となります。特に、糖尿病が発症するかの決定的なカギは、「内臓脂肪の有無」ではなく「脂肪肝の有無」です。

2025年9月4日 9:10  カテゴリー:書籍紹介

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