書籍紹介「裁判官が見た人間の本性」瀬木比呂志 著
「裁判官が見た人間の本性」
瀬木比呂志 著 ISBN978-4-480-07124-0
裁判官は、法廷で、人間の「必死の姿、裸にされた姿」と対峙する。訴訟という泥まみれの戦場においては、人間性の深淵を覗かざるをえない場合があり、特に、その隠された側面、表立っては語られにくい側面にふれることが多い。法壇から、また時にはいわば神の視点から、粉争や当事者を、さらには自分自身を見据える仕事を33年間務めた著者が、古今東西の書物・作品を渉猟しつつ人間の本性とそれを取り巻く世界の種々相を、縦横無尽に、かつ生々しく活写する。なお本書の構成・内容は以下のとおりです。
第1章 人間とその「生」の種々相
ここでは、結婚、愛と性、親子、師、友人と交友、内なる悪、イノセンス(無垢)、うつと狂気、予言と運命、死といった、人間とその「生」に関する重要かつ基本的な諸テーマを論じています。
第2章 社会の中の人間
ここでは、プライヴァシー、コミュニケーション、「原告」のつらい立場、メディアと人間、人間の尊厳、「自分が一番」という考え方の意味、幸福と自己実現欲求といった、人間が社会と深くかかわるいくつかの側面について論じています。
第3章 大きな世界と人間
ここでは、第1章、第2章を踏まえつつ、「私」とは何か、そして著者の人間観の背景を成す世界観や宇宙観について述べています。
以上は、本書の内容を成すひとつながりの「論」なので、最後に、それら全体についての簡潔な「あとがき」が加えられています。
なお、「裁判官が見た人間の本性」という書名から、訴訟における人間のあり方が多々描かれることを期待する人もいるかもしれません。しかし、訴訟における人間の姿は、本書の素材の一つであるものの、突出して大き素材というわけではありません。
「元裁判官」で「法学者」、「著述家」である著者の人間観と人間の本性!!
2026年7月2日 9:01 カテゴリー:書籍紹介
