書籍紹介「タンパク質とは何か」山本啓一 著
「タンパク質とは何か」
山本啓一 著 ISBN978-4-7976-8167-3
「タンパク質は重要」ということを、なんとなく分かっていても、その実体については、ほとんどの人はご存じないかと思います。そのため、よく誤解もされています。本書の目的は、タンパク質について分かりやすく解説し、多くの人に全体像を知っていただくことですが、本コーナーでは構造タンパク質と機能タンパク質について考察します。
タンパク質は大きく分けると、「身体の構造を作るもの(構造タンパク質)」と「化学反応や運動にかかわる(機能タンパク質)」に分けられます。
1.構造タンパク質
このタイプのタンパク質は、細胞から分泌され、外側が包み込むようにして構造を作るものと、細胞の内部に丈夫な繊維構造を張り巡らせ、細胞を強靭にするものがあります。前者の代表がコラーゲン、後者の代表がケラチンです。さらに、命を守る細胞の「城壁」の膜タンパク質があります。
(1)コラーゲン
身体のタンパク質の中で最も多く、タンパク質総重量の約30%を占めています。コラーゲンの存在が一番目立つのは筋肉と骨をつなぐ腱の部分で、腱の部分だけでなく、すべての筋肉細胞を覆うように広がり出す力を一つにまとめて骨に伝えます。
(2)ケラチン
ケラチンからなる繊維は、細胞の一端にある細胞どうしの接着部位から反対側にある別の細胞との接着部位までを一直線につないでいます。従って、ケラチン繊維の束が上下左右の細胞との接着点どうしが強い力でつないでいるので繊維の一部に力がかかっても全体として受け止め、千切れることはありません。
(3)膜タンパク質
脆弱な細胞膜を丈夫にするために、細胞膜の表と裏に多くのタンパク質が結合して補強しています。表面に油に溶けやすいアミノ酸が露出し、内部に水に溶けやすいアミノ酸が隠れています。
2.機能タンパク質
化学反応にかかわるタンパク質の代表格は「酵素」「抗体」および「ヘモグロビン」です。運動にかかわるタンパク質の代表格は、モータータンパク質です。
(1)酵素
化学反応を促す触媒として働くタンパク質で、それ自体は化学反応の前後でも変わらず、少量混ぜておくだけで化学反応が速かに進みます。
(2)抗体
新しいウイルスや細菌が体内に入ってくるたびに、身体はすぐにそれに対応した構造を持つ抗体タンパク質を作り、さらなる感染を防いでいます。
(3)ヘモグロビン
酸素を肺で吸収し、身体の隅々まで送り届けるのか赤血球の中にあるヘモグロビンです。ヘモグロビンは鉄を含んでいるため赤色でその鉄を介して酸素と結合します。
(4)モータータンパク質
物質輸送を行うタンパク質で、細胞内に張り巡らされたケーブルの上を、荷物を背負って歩くように移動します。
髪も骨も筋肉も私たちはタンパク質でできている!
身近で不思議な「生命のしくみ」を解き明かす!!
2026年5月7日 9:09 カテゴリー:書籍紹介
