書籍紹介「歯と健康の科学」水口俊介 著

「歯と健康の科学」
水口俊介 著 ISBN 978-4-06-538853-2

フレイルの行きつく先は要介護や死ですが、このフレイルの過程やきっかけとして口の中のフレイル、つまり口腔機能の弱まりを表すオーラルフレイルが注目されています。オーラルフレイルの直接的な原因であるむし歯と歯周病によって、かたい物が噛めなくなり食事の栄養バランスが崩れます。従って、まずはきちんと歯磨きをすることが最も重要です。

Ⅰ むし歯(う蝕)
1.種類
歯垢(プラーク)を原因とするむし歯は、発生する部位によって、若い世代に多い「歯冠部う蝕」と高齢世代に多い歯根部に生じる「根面う蝕」の2種があります。

2.根面う蝕の原因
(1)歯肉退縮(歯根面の露出)
歯周病や加齢により歯肉が退縮すると、歯根面のセメント質そしてう蝕が進むと酸に弱い象牙質が露出し、ここにう蝕か発生します。
(2)根面での歯垢の付着
通常の歯の表面より硬度が低い象牙質で覆われた根面に歯垢が付着します。
(3)唾液の減少
・唾液には、口中を酸性から中性に戻す「緩衡能」があります。また、カルシウムにより脱灰された歯を修復(再石灰化)があるため、う蝕の抑制効果があります。
・しかし、高齢になると唾液腺の機能の減退や糖尿病などの全身疾患、服用薬剤の影響などにより、唾液が減少します。

Ⅱ 歯周病
1.歯周病とは
歯に磨き残しがあるとそこに歯周病菌が発生し、炎症を起こして歯根膜が破壊され、歯と歯ぐきの境目に深い溝(歯周ポケット)ができる病気です。

2.歯周病を引き起こす細菌の正体
(1)最初のうちは、低リスクの口腔の菌が多くなる。
(2)その後、歯周病が進行してオレンジコンプレックスの細菌群へと分布が変化する。
(3)さらに、それらの細菌が成熟すると最も毒性の強いレッドコンプレックスの細菌群が増加し、歯周病が悪化し、歯を失うことにつながる。

Ⅲ 全身疾患の重大リスク
1.歯周病原菌から動脈硬化を誘導する物質が発せられ、血流が阻害されて、狭心症・心筋梗塞や脳梗塞が発症する。
2.糖尿病になり抵抗力が弱くなると感染症にかかりやすくなり、歯周病が悪化する。
3.反対に、歯周病があると、糖尿病のコントロールがうまくいかなくなる。
4.歯周病に罹患している妊婦は低体重児を早産するリスクが高まる。
5.骨粗鬆症により歯周病の進行が加速する。
6.骨粗鬆症薬の服用者は抜歯後、顎骨壊死しやすくなる。

からだの衰えは口から
健康も老化も口次第!

2025年12月18日 9:06  カテゴリー:書籍紹介

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