書籍紹介「驚きの「リアル進化論」」池田清彦 著

驚きの「リアル進化論」
池田清彦 著 ISBN978-4-594-09571-0

ネオダーウィニズムの限界を改めて明らかにし、構造主義進化論により、進化論を議論する。

Ⅰ ネオダーウィニズムの限界
1.ネオダーウィニズム理論
この理論では、進化は「遺伝子の突然変異」「自然選択」「遺伝的浮動」「性選択」ですべて説明できるとしています。

2.1970年代からの遺伝子工学の発達
(1)DNAを切ったり貼ったりして、人為的に突然変異を起こすことを繰り返してみても、多少変わった形のものかできるだけで、少なくとも別の種に変化するような大きな変化を起こすことができないことが判明しています。
(2)この事実ではっきりしたのは、種内のレベルでの小進化はともかくとして、もっとダイナミックで、生物の多様性に直結するような大進化は、ネオダーウィニズムが主張してきたメカニズムでは決して起こらないということです。

Ⅱ 構造主義進化論
1. 生物の形質
生物の形質は遺伝子そのものの変化というよりも、遺伝子を解釈する側、つまり、遺伝子を取り巻く環境が変化することで、大きく変わる。

2.遺伝子の発現を司るシステム(構造)の変更
大きな進化は、遺伝子が変わるだけでは起こらず、また、小さな進化が少しずつ積み重なって起こるわけでもない。大きる形質の変化を引き起こすのは、「遺伝子を取り巻く環境の変化」です。つまり、大進化は一気にドカンと起こる。

3.例えば爬虫類から鳥への変化
ちょっとずつ羽が生えて、徐々に徐々に空に適応したのではなく、数世代のうちに「羽が生える」という大きな形質変化がまず起こり、その後、飛ぶ機能を獲得したと考えられる。

4.大進化の原因
「発生システムの重層化」が大進化の原因です。そのような「大事件」は、地球環境の劇的な変化(アクシデント)よって、あくまで恣意的に起こる。別に何らかの目的のために起こるのではなく、それらはすべて偶然なのです。そして、種をまたがないレベルの小進化は、「遺伝子の突然変異」や「自然選択」が担っている。

実証できなくても、合理的な仮説は立てられる。
だからこそ、進化論の議論は面白い!!

2025年12月4日 9:08  カテゴリー:書籍紹介

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