書籍紹介「つくられる子どもの性差」森口佑介 著

「つくられる子どもの性差」
森口佑介 著 ISBN978-4-334-10474-0

親同士の会話で「女の子だとおしゃべりができていいな~。男の子はもう怪獣だから!」はよく聞くフレーズです。大人は無意識に子どもの性格の要因を性別に求めるが、それは正しい態度なのか。実際には活発な女の子も、おとなしい男の子もいます。本書は心理学・脳神経科学の膨大な先行研究をベースに、よく指摘される下記の性差についてデータで分析。「女脳」「男脳」は科学的根拠に乏しいこと、大人の思い込みこそが後天的に子どもの性差をつくったり増幅していることを明らかにしています。

1.指摘される6つの性差
(1)色の好みやおもちゃの好み
両者には性差があり、年齢とともに大きくなる。
(2)空間認知の性差
生後3か月時点でも心的回転能力の性差が認められますが、それは非常にわずかな差です。
(3)言葉の性差
語彙数や発話数などの性差は年齢とともになくなる一方で音韻の流暢性のような課題の成績では、大人になるまで性差は残り続けます。
(4)攻撃性の性差
幼児期ぐらいから攻撃性の性差が見られます。また、攻撃性の形態については、身体的攻撃や言語的攻撃に関しては男児のほうが高いが、関係性攻撃(無視や仲間外れ)に関してはほとんど性差がありません。
(5)学力の性差
国語においては女子のほうが成績が良く、数学においては男子がわずかに優れているものの、大きな性差はありません。
(6)感情の性差
感情の性差自体は調べることが難しいので、感情の表出しか調べられません。感情表出には性差があるとは言えません。

2.子どの未来のために
(1)子どもの性差はほとんどない
ほとんどの行動や能力に性差はありません。あるとしても、性差以外に重要な要因がある場合もありますし、それよりも個人差のほうが大きい。家庭環境や親子関係、もしくは生まれ持った特性などによる個人差の影響のほうがよほど重要です。
(2)大人にできる2つのこと
大人が変えるべき行動は、大きく2段階です。1つは、小さる性差を生み出している、子どたちへのかかわり方。もう1つは、その小さな性差を増幅するジェンダーステレオタイプです。従って、親の考える女性や男性についての思い込みを押し付けるのではなく、子ども自身の興味や才能をしっかりと観察し、それらを大切にする。子どもを一人の独立した人格を持つ人間として尊重すること。

「女脳」「男脳」は存在しない!!
女の子と男の子の「こころ」はほぼ一緒!!

2025年10月16日 9:07  カテゴリー:書籍紹介

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