書籍紹介「甘い飲み物が肝臓を殺す」尾形哲 著

「甘い飲み物が肝臓を殺す」
尾形哲 著 ISBN978-4-344-98250-0

人体に欠かせぬ臓器は多いが、なかでも肝臓は「生命力の源泉」で代謝、免疫、解毒など何百もの仕事をこなす超重要臓器です。ところが日本人の3人に1人は肝臓に脂肪がたまった「脂肪肝」になっています。その“主犯"は、じつは甘い飲み物です。なお、今回と次回の2回に分けて見ていきます。

1.異所性脂肪と肝臓の3大重要機能
(1)体脂肪には「皮下脂肪」「内臓脂肪」「異所性脂肪」があり、皮下脂肪が満杯になると内臓脂肪がたまり、そこも満杯になると、あふれ出た脂肪が、本来たまってはいけない肝臓などの「異所」にたまります。なお、減少する順序は逆に、異所→内臓→皮下となります。
(2)肝臓に脂肪が過剰にたまると、その脂肪は毒性を持つようになり、炎症細胞(マクロファージ)を呼んで、肝細胞破壊が進み、肝機能がどんどん低下します。
(3)肝臓の3大重要機能は、「代謝」「免疫」「解毒」です。従ってこれらの機能がストップすると生命を維持することが難しくなります。
(4)肝臓の脂肪は、脂肪滴として各細胞内部にたまり、ふくらんだ細胞が脂肪肝です。
(5)国内では、約4000万人の人が脂肪肝と推定されていますが、その内訳は非アルコール性が約3000万人、アルコール性が約1000万人です。

2.脂肪肝を放置すると早死にする
「脂肪肝」を軽く見てはいけません。脂肪肝は“死亡肝"と言い直してもいいくらい恐ろしい病気です。
(1)悪化する段階を単純化すると「脂肪肝→脂肪肝炎→肝硬変」という流れになります。肝硬変になると、肝細胞が破壊され「線維化」が進み、肝臓が硬く変質して機能しなくなります。
(2)近年、「肝臓の脂肪化」とそれに伴う「免疫細胞の暴走」が炎症や線維化を進行させるとの知見が有力になっています。
(3)さらに、免疫細胞の暴走により破壊された肝細胞を修復する細胞(伊東細胞)によるファイバー(コラーゲン線維)が度重なると、線維化が進み肝硬変を悪化させます。
(4)肝硬変は線維化の進行度によってF1(軽度)、F2(中度)、F3(重度)、F4(末期)に分かれますが、F3やF4になると元に戻らず肝移植手術以外に方策はありません。さらに、ミスコピーが起きやすくなり、肝臓がんが生じやすくなります。
(5)脂肪肝は糖尿病をはじめとしたさまざまな病気の「発火点」となります。特に、糖尿病が発症するかの決定的なカギは、「内臓脂肪の有無」ではなく「脂肪肝の有無」です。

2025年9月4日 9:10  カテゴリー:書籍紹介

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