書籍紹介「うんち学入門」増田隆一 著
書籍紹介「うんち学入門」
増田隆一 著 ISBN978-4-06-517014ー4
日々の生活を考えるまでもなく、私たち生物にとって「食べる」事には多くの時間が費やされてきました。
生物の進化を考えても、体の機能に伴った食べ物の種類(食性)に多様性が見られます。草食性、肉食性、雑食性の動物がいますし、植物や単細胞生物の細菌でさえも、様々な食べ物(栄養素)を取り込んでいます。「食べ物」は、生き物の生命活動(=いのち)を維持するためのエネルギー源として摂取されます。
では、生き物から排泄される「うんち」にはどの様な役割があるのか?これが本書のメインテーマです。「うんち」の役割4カ条は以下の通りです。
1.生き物の進化の証である「うんち」
「うんち」は、生き物が食べた食物が彼らの消化管の中を通り、様々な反応の結果として、作られたもので、生きている事の証であり、生き物が進化してきた証です。
2.個体間のコミュニケーションを担う「うんち」
落とし主の個体情報を周囲に発信し、個体間や集団内のコミュニケーションの手段、つまり『落とし主の分身』。その際、においが重要な働きを持っている。
3.種間の情報戦略と種の存続に役立つ「うんち」
落とし主が属している生物種としての情報を発信し、『生き残り』をかけた異種間の情報戦略にも用いられる。つまり『種の存続』にとって重要な役割を果たす。
4.生態系での物質循環を担う「うんち」
(1)生態系:生き物と周囲の環境のまとまり
(2)物質循環:生き物の内部環境と外部環境の間での様々な物質の循環
「うんち」は生態系における物質循環の仲介をしている。つまり、生き物と地球をつなぐ役割を果たしている。
くさい事にも意味がある!
うんちに秘められた生き物たちの「凄い生きざま」!
2022年4月7日 8:40 カテゴリー:書籍紹介