書籍紹介 「動的平衡」 福岡伸一 著

動的平衡
ISBN 978-4-86324-012-4
福岡伸一

なぜ、バイオテクノロジーはうまくいかないのか。今日も明日も、メディアには「画期的な」新発見や新発明が報道される。病気の遺伝子の発見、先端再生医療技術、万能細胞…。
しかし、それはどこまでも一時のニュースであり、多くの場合、まもなく色褪せたものとなり、次のニュースによって塗り替えられる。なぜだろか。
それは端的に言えば、バイオつまり生命現象が、本来的にテクノロジーの対象になり難いものだからである。工学的な操作、産業上の規格、効率の良い再生。そのようなものになじまないものとして生命が存在する。
生命、自然、環境ーそこで生起する、全ての現象の核心を解くキーワード、それが「動的平衡」と考える。間断なく流れながら、精妙なバランスを保つもの。絶え間なく壊すこと以外に、そして常に作り直す以外に、損なわれないようにする方法はない。動的平衡とはこのようなありかたと振る舞いを言う。
本書では「食べ物」「ダイエット」「病原体」「ミトコンドリア」などの個別のテーマを「生命とは何か」という問いで捉えている。
例えば、人間の「記憶」。人間の身体を形作っている分子は次々に代謝され常に新しい分子と入れ替わり、脳細胞も同様なので、ある特定の分子に記憶力が蓄積されることはありえない。つまり「それは一度建設された建築物がずっとそこに立ち続けているようなものではない」のであり、「分子の流れこそが生きていること」なので。従って、記憶は細胞にあるのではなく細胞と細胞の間、神経細胞が互いに結合してつくる神経回路の「形」にあるのではないかと著者は言う。

2012年3月8日 8:23  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介 「免疫、その驚異のメカニズム」 谷口 克 著

免疫、その驚異のメカニズム
ISBN 4-9000594-35-0
谷口 克

英国の医師エドワード・ジェンナーが近所の少年に種痘の人体実験を行って天然痘の予防に成功し、人類に免疫力がある事を初めて科学的に証明して以来200年が経過し、現在でも使われているワクチンによる疫病予防法の発明となった。
しかし、1970年以降の免疫システムの研究と進展、特に細胞免疫学、分子生物学の著しい進歩により、その仕組みが明らかにされた結果、免疫システムの意義を根本から考え直さねばならなくなった。
免疫システムがもつ本来的な意義、それは自己・非自己を区別するシステムであり、感染症から我々を守っていたのは免疫システムが細菌やウィルスなどの非自己を排除した結果に過ぎなかったのである。
しかし、免疫システムは自己に反応せず、無限に存在する非自己だけを見分けて攻撃し排除することに様々な疑問が投げかけられた。
第1の疑問は、免疫システムは地球上に存在しない物質に対しても反応できる無限に近いほどの膨大なレパートリーをどのようにして用意できるのか。
第2の疑問は、仮に免疫システムが無限に近い膨大なレパートリーをつくるシステムだとすると、自己とも反応するはずであるが、そのようなことはなく、常に非自己と反応するトリックとは何か。
第3の疑問は、自己と非自己を区別するシステムとはいかなるものか。
第4の疑問は、調和のとれた免疫システム・ネットワークの不思議。
このよな疑問を解くことで、我々を取り巻く環境と人間との関わり方、あるいは人が生存するために考慮しなければならない問題とその解決方法に何か示唆があるのではないか。
本書はそうしたことを考えるための参考にして頂くために刊行されました。

2012年3月1日 10:06  カテゴリー:書籍紹介

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