書籍紹介「西洋医学の限界」岡部哲郎 著

「西洋医学の限界」
岡部哲郎 著 ISBN978-4-7762-1029-0

西洋医学は、対症療法の医療です。外科的領域や白血病、Ⅰ型糖尿病などでは一定の評価はありますが、薬を使った治療に関しては、率直に言って、不得意分野です。そこで、年齢や性別、体型や体質などをトータルで見て「根治治療」を可能にする中医学の漢方に大きな注目が集まっています。ここでは、中医学が特に得意とする病態を紹介します。

1.老化現象は老眼と血管の老化が始まる
(1)老眼が老化現象のスタート、以後、心臓や胃腸そして肝と脳がやられ、最終的にはすべての内臓がダウンし老衰に至ります。
(2)50歳を過ぎたあたりから、血管の機能が低下し、血栓(タンパク質)ができやすくなります。
(3)漢方薬は(1)及び(2)の老化に対して効果を発揮できます。
(4)なお、日本の医師は、西洋医学の薬に熟知していても漢方薬についてはよくわかっていません(「日本漢方」は別物)。

2.認知症にはタイプ別に対処する
(1)中医学では、脳がドライで熱を持っているタイプならば、冷ます効果の漢方薬を使用します。
(2)一方、水が溜まっているタイプならば、それを外に排出してくれる漢方薬を使用します。
(3)結果、記憶力、理解力、論理的思考力が改善します。
(4)従って、西洋医学によるアセチルコリンを増やす薬を使用すると、脳がドライなタイプの認知症では「火に油」状態になり、さらに悪化します。

3.関節リウマチの原因は低気圧による風と湿気
(1)西洋医学には「風と湿気」を除去するという概念がないので、免疫抑制剤や抗炎症薬を投与する対症療法になります。
(2)関節リウマチは冷えているタイプと熱を帯びている2種類に分けます。
(3)従って、漢方薬を飲む場合は、それぞれの症状を緩和します。

4.睡眠導入剤などの精神安定剤は認知症の呼び水になる
(1)中医学では不眠の原因は五臓六腑の異常にあると考えます。
(2)不眠症は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒などタイプはさまざまで、タイプごとに異なる漢方薬を使用します。
(3)また、五臓六腑の病態ごとに異なる漢方薬を使用します。

5.緑内障は完治も可能
(1)「失明原因第1位」の緑内障は、西洋医学では眼圧が高くなることで視神経に障害をきたすタイプと視神経乳頭が脆弱なために発症するタイプ(正常眼圧緑内障)があります。
(2)欧米人は眼圧タイプが8割以上で、日本人は7割以上が正常眼圧緑内障です。
(3)一方、中医学では、急性で5タイプ、慢性で3タイプ、合計8タイプの病態に分けて、それぞれに合った生薬を使います。
(4)糖質制限プラス有酸素運動は、視神経の萎縮により、緑内障の発症率を高めますので、運動前にはしっかり糖質を摂ることが大事です。
(5)花粉症などで使用される抗ヒスタミン剤は抗コリン作用により眼圧を上昇させるので緑内症を悪化させ失明することもあります。

6.うつ病の原因は脳細胞の栄養不足
(1)うつ病は心の病気でなく体の病気で、栄養不足による脳神経細胞の障害で発症します。
(2)体の症状としては、頭痛、めまい、肩こり、便秘、下痢、食欲不振などかあります。
(3)漢方薬は栄養を送り込む役割によって、セロトニンやノルアドレナリンの生成を促しますの、で西洋医学のように神経細胞に負担をかけません。

不満と不安を抱えたまま病院に通い
西洋薬を飲み続けるあなたへ!!
生薬の質が効果を左右する!!

2026年8月20日 9:07  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「「がん活」のすすめ」川口知哉 著

「「がん活」のすすめ」
川口知哉 著 ISBN978-4-06-542609-8

「がん活」とは、科学的に正しいとわかっているがんの予防策をできるところから生活に取り入れて習慣にすることである。では、忙しい日常のなかで、私たちはどうすればこうした活動を続けていけるのか。そこで、著者が着目したのが、世界の「賢人」「偉人」ともいわれる先人たちが残した名言であり、それは、自己のメタ認知を促し「がん活」のバックボーンとなる。

1.がんの本質と5つの生活習慣
(1)ヒトゲノム解析などにより、がんは遺伝子変化の集合体であることがわかった。
(2)遺伝子変化をもたらす環境因子もわかり、がんになるのは偶然ではなく「理由」がある。
(3)加齢は最大の発がん因子だが、生活習慣によりその影響を和らげることは可能である。
(4)5つの生活習慣(①禁煙、②適正体重、③定期的な運動、④節度ある飲酒、⑤健康的な食事)を守れば、がんの死亡リスクは約65%低下する。

2.5つの生活習慣とがん
(1)喫煙者は非喫煙者よりも日本人で約4~5倍、肺がん発症の確率が高い。
(2)禁煙はいつ開始しても確実に死亡リスクを下げる。
(3)肥満はさまざまながんに共通する、確実なリスク因子である。
(4)運動はさまざまながんに共通する、確実な予防因子である。
(5)「有酸素運動+筋トレ」を組み合わせるのが、がん予防では効果的である。
(6)がん予防のためには、酒は飲まないのが最善である。とくに日本人に多いフラッシャー体質の人は、少量の飲酒でも危険である。
(7)①加工肉・赤肉、②塩分、③糖は、がんリスクを高める。
(8)①野菜・果物、②青魚、③大豆、④食物繊維は、がんリスクを抑える。

3.感染によるがん
(1)日本人のがんの約2割はウイルスや細菌の感染が原因である。
(2)胃がんのおもな要因はピロリ菌である。
(3)HPVワクチン(子宮頸がん)とHBVワクチン(肝細胞がん)は将来のリスクを確実に下げる。

4.睡眠とストレスとがん
(1)不規則な睡眠や「質」の悪い睡眠は免疫機能を抑制し、発がんリスクを高めるおそれがある。
(2)ストレスがHPA軸(視床下部一下垂体一副腎)が過活動を招くと、免疫を阻害し、がんリスクを高めるかもしれない。
(3)読書はストレスを軽減させる特効薬である。

科学と名言でつくる「がんを寄せつけない習慣」!!

2026年8月6日 9:08  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「「心の不調」の脳科学」加藤忠史 著

「「心の不調」の脳科学」
加藤忠史 著 ISBN978-4-06-542020-1

精神疾患と診断されなくても、「心の不調」を抱える人はストレスの多い現代社会で増加しています。うつ病、発達障害、摂食症、心身症、睡眠障害、虐待、スマホやギャンブル依存、強迫症、愛着障害、PTSD、老年期うつ病、認知症、双極症、統合失調症…全ての症状は「脳の変化」が生じますが、脳内でいったい何が起きているのでしょうか。ここでは、今まで見えなかった脳内の変化をPET(陽電子放出断層撮影)で可視化する研究に限定して考察します。

1.精神疾患をPETで早期診断
PETでは陽電子を放出する放射性物質を分子につけるPET薬剤を投与します。PET薬剤は標的 となるタンパク質に選択的に結合し、陽電子を放出し、「バイオマーカー」になります。

2.うつ病や新型コロナ後遺症では脳内炎症が起きている
(1)脳内炎症ではグリア細胞のミクログリアとアストロサイトが関与しています。
(2)ミクログリアは脳内の免疫機能を司る細胞で、脳内で損傷があると「活性化ミクログリア」となって、細胞の残骸を食べたり炎症性サイトカインを放出し、損傷面所を修復します。
(3)さらに、不要なシナプスを貪食し、脳内の神経回路の維持にも関わっています。
(4)一方、アストロサイトは、神経細胞の信号伝達などを調節する機能があります。
(5)さらに脳の血管を取り囲んで「血液脳関門」を形成します。
(6)ところが、脳内炎症が起きると「反応性アストロサイト」となり信号伝達に不具合が起きたり、血液脳関門が緩んで異物が脳内に侵入します。
(7)PETで可視化すると、うつ病の患者さんの脳の前頭葉で、活性化ミクログリアも反応性アストロサイトも増加しています。
(8)さらにうつ病の罹患期間が長いほど、両者とも増加する傾向があります。
(9)新型コロナ後遺症でも、脳幹や線条体、前頭葉の一部や海馬において、反応性アストロサイトが増えていることがわかりました。

3.脳内炎症によって、タウタンパク質が蓄積する
(1)タウタンパク質の蓄積により、神経細胞の機能が低下したり細胞死が起きる。
(2)タウは主に神経細胞の微小管に集まるタンパク質の一種です。微小管は、たくさんのタンパク質が集まってチューブを形成しています。
(3)微小管はタンパクがバラバラになって壊れる過程と、集まってチューブを作る過程の新陳代謝を繰り返しています。

4.タウの蓄積を可視化する技術と蓄積を減らす薬剤の開発
(1)PET薬剤の改良・開発により、多種類のタウ凝集体がどの脳領域に蓄積しているかを高精度に可視化できるようになりました。
(2)例えば、タウが蓄積する脳部位を調べることで、アルツハイマー型か前頭側頭型かを識別できるようになりました。
(3)現在、製薬企業でタウを除去する薬の開発が進められており、すでに臨床試験の段階です。

5.慢性外傷性脳症(頭部への大打撃の大問題)
米国を中心にタウの蓄積が認められる慢性外傷性脳症は大問題になっていますが、日本ではほとんど話題になっていません。
(1)頭部への繰り返しの打撃から、数ヵ月後ないし数十年が経過してから、うつや不安などの精神症状や認知機能の低下が現われる神経変性疾患です。なお、打撃だけでなく、頭部の振動も発症原因となります。
(2)頭部への打撃や振動で、脳内の神経細胞に物理的な力が働き、微小管を構成するタウを含むタンパク質がバラバラになり、さらに脳損傷に伴う炎症でタウの過剰なリン酸化と蓄積が進むと考えられます。
(3)具体的な対象者は、ボクシング、アイスホッケー、プロレス、ラグビー、サッカーなど選手間で接触のあるさまざまなコンタクトスポーツを行う人、さらに野球経験者や虐待を受けた人、交通事故の被害者、競馬騎手などです。

脳の中で何が起きているのか?
発症前の予兆から治療法の開発まで!!

2026年7月16日 9:07  カテゴリー:書籍紹介

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